ごあいさつ

全国的に高齢化が進み、医療制度や介護保険制度の見直しが社会問題化する中、地域資源を活用し健康社会の実現を図りながら地域の活性化も促進していくことが、多くの自治体で課題となっています。

国では、職域でのメンタルヘルス向上のための実証事業や、予防・健康づくりの健康増進効果に関するエビデンスの確認・蓄積を伴う実証事業が引き続き実施され、保険者や地方公共団体等の予防健康事業へフィードバックされています。

こうした中、本協議会の趣旨に賛同する6市2町が連携し、日本型クアオルト指標に基づき、自然の気候や地形を活かした健康ウォーキングや水中運動など、地域資源を活用して、地域住民や来訪者の健康増進につながる取り組みを推進して参りたいと考えています。

令和4年度 会長
兵庫県多可町長 吉田一四

「クアオルト」とは

クアオルト(kurort)はドイツ語で「療養地」という意味。クア(kur)が「治療、療養・保養のための滞在」、オルト(ort)が「場所」を意味しており、治療、療養・保養するための場所という意味があります。

ドイツのクアオルトは、自然の治療薬を活用する病院や治療施設があり、医療保険が適用されるほか、大きな公園や人が交流する施設、景観形成や環境保全など、条件を備えた地域で、国が法律で認定した「地域」です。

日本クアオルト協議会の
沿革

ドイツのクアオルトの考え方を基本に、地域資源や温泉などを活用しながら、日本の風土に合った滞在型の健康保養地づくりを推進するため、大分県由布市、和歌山県田辺市(平成30年度末で退会)、山形県上山市の3市が中心となり平成23年度に温泉クアオルト研究会を設置し活動してきました。そして、平成26年度、滞在型の健康保養地づくりに賛同する石川県珠洲市、新潟県妙高市が加わり「日本クアオルト協議会」へ名称を変更。

平成27年度には秋田県三種町、島根県大田市が、平成28年度には群馬県みなかみ町(令和元年度末で退会)、平成29年度には兵庫県多可町、平成30年度には三重県志摩市(令和2年度末で退会)、令和2年度には岐阜県岐阜市が加わり、現在は8自治体で構成されています。温泉や食、自然環境、伝統文化などの地域資源を「健康」を中軸として連携して活用し、地域住民や来訪者の健康増進を図ることができる、質の高い滞在環境である「日本型クアオルト(健康保養地)」を確立し、日本の新しい地域活性化のモデルケースづくりのあり方を研究し、その取組みを進めていきます。